第五回日本翻訳大賞 推薦作品リスト

2019年1月31日(木)まで第五回日本翻訳大賞の候補作を募集しています。
推薦はこちらから。
ここでは皆さまから推薦をうけた作品と推薦文を紹介していきます。

※推薦文のすべてが掲載されるわけではありません。予めご了承ください。


【推薦者】SHIU.I
【推薦作品】目の眩んだ者たちの国家
【作者】キム・エランほか11名
【訳者】矢島暁子
【推薦文】
年末、毎日新聞で今年の3冊に推薦されていたので、前から気になっていたこの本を思い切って読みました。作家や学者ら12名の著者がセウォウル号事件について論述していますが、作家のキム・エランやパク・ミンギュ、キム・ヨンス、ファン・ジョンウン以外の著者は、それまでは全く知らない著者でした。
読み進んでいって、それぞれの著者が自己の視点からこのセウォウル号事件を通して、韓国社会に問題提起をしている姿に思わず身を乗り出してしまいました。作家たちの文章はインパクトがあり透明感のある文体で、一方、初めて触れた社会学者や精神分析学者たちのものは新鮮な説得力溢れる文章で、夢中で最後まで読み通しました。専門的な内容の部分も分かり易い訳文で、門外漢の私の心にストンと届くものでした。
韓国の今を生きる人たちの鼓動を、具体的な事件を通して鮮明に感じることができました。この時期に、この本に出会えて良かったとつくづく思います。

書影

【推薦者】中山 耕輔
【推薦作品】JR
【作者】ウィリアム・ギャディス
【訳者】木原善彦
【推薦文】
 少年JRが大人を巻き込んで創り出した一大コングロマリットが、暴走しながら周囲の人々の悲哀と笑いを曝け出す。ほぼ会話文、それも言い間違いや言い直しを含むリアルに不完全な文のみで構成され、今誰が話しているかの説明がないまま、段落分けすらなく場面は飛び続ける。読みにくいはずなのに、読み始めたら止まらない。いったいこんな小説、どうやって書いたのか、どうやって訳したのか、感服します。

書影

【推薦者】H.treetop
【推薦作品】ブルターニュ古謡集 バルザス=ブレイス
【作者】ラ・ヴィルマルケ
【訳者】山内淳、大場静江、小出石敦子、白川理恵
【推薦文】
フランス、ブルターニュ地方で語り継がれてきた詩歌を、ラ・ヴィルマルケが収集し、1839年に刊行した幻の一冊。アナトール・ル・ブラザーズなどの翻訳は出ているが、その元になった詩歌集である本書の邦訳は今回が初めて。
年表や地図、楽譜まで付いて充実しており、邦訳も非常にリズムを考えて読みやすく、なにより読み物として面白い。歴史や風習といったリアルな出来事を表すものから、妖精や小人が登場するファンタジック、幻想的な出来事を表すものまで、詩歌は多様。
ブルターニュにおけるケルト文化を理解するうえで非常に重要な一冊。また『グラドロン王の逃走』をあしらったカバーも格好よく、持っておきたくなる。

書影

【推薦者】田仲 真記子
【推薦作品】自転車泥棒
【作者】呉明益
【訳者】天野健太郎
【推薦文】
作者呉明益の絶大な信頼を得ていた翻訳者である。本作は物語としてのスケールの大きさに加え、ネイチャーライティングをてがけていたという作者によるダイナミックで緻密な描写の巧みさ、そしてそれを躍動感あふれる日本語に移し替えた翻訳のすばらしさも際立っている。
マレー半島のジャングルや台湾のチョウ捕りの場面は、高画質のドキュメンタリー映画のように、読者の眼前に迫力満点の自然を生き生きと描出する。<トラは華麗な縞模様をジャングルの光と影と完全に一致させ、ひとつかみみひとつかみ大地を後ろへ押しやり、ゆっくり歩んでいく。悠然と振り返った双眼はまさしく琥珀で、感情も好奇心もなく、アッバスが隠れるテントを見た(原文は一部旧漢字表記)>こんな臨場感あふれるシーンが続々と現れるのだ。
真摯かつ戦略的に台湾の文学やノンフィクションの紹介を続けた訳者の急逝が悔やまれてならない。

書影

【推薦者】Italydef
【推薦作品】ナポリの物語2 新しい名字
【作者】エレナ・フェッランテ
【訳者】飯田亮介
【推薦文】
続刊中のシリーズの一冊ですが、推薦します。
老齢の婦人が若い頃を回想していく形で展開されていく物語です。この巻では主人公の多感な青年期のみで構成されていて、行先の見えない少女達の暗中模索する姿が、ありありと浮かんできます。
物語の展開も、自意識から来る苦しみとの戦い、友達への嫉妬、結婚と親戚付き合いが生む負の連鎖は地獄の様相を呈していて、スリリングでありながらとても辛いです。時代も時間も遠く離れたイタリアが舞台ですが、翻訳された一文一文から共感するものを感じました。
そんな中で、この小説は勉強すること、学ぶことを強く肯定しています。劣等感を抱えながら生きる少女だった頃の語り部が、段々と内側から変化していくのを捉えた部分が印象的です。
それがそのまま自分には本を読むって良いことだな、という風に感じさせてくれました。

書影

【推薦者】奥村 ペレ
【推薦作品】J R
【作者】ウィリアム・ギャディス
【訳者】木原善彦
【推薦文】
 木原善彦の翻訳は活き活きとしている。なんたってリズムがいい。本書は大雑把な文脈と細々しい文脈で構成された「ポリフォニー的」(ミハイル・バフチン)小説である。著者ギャディスは大雑把な文脈と細々しい文脈を〈組合せ〉て長尺なストーリーを編んだ。訳者はこの乱雑にして混線的な文脈宇宙を見事に交通整理した。ギャディスの、この〈組合せ〉は時代の熱力学第二法則と対称性の破れを反映しながら、1970年代の多元的世界の鏡像=虚像を広角に輻射した。彼は90年代のインターネットが普及する前の、いわばテレフォン(メディア)資本主義の虚像を描いた。「小説とは言語形式に引きうつしたニュー・メディア」(高山宏)なのだ。同時にギャディスは、異物の出遭いの〈組合せ〉によって登場人物たちのスキーマ(認知的な構え)をバラバラに解体した。〈組合せ〉と解体。これぞ紛れもなくマニエリスム。彼は20世紀の稀代なマニエリストのひとりなのだ。

書影

【推薦者】徳永悦子
【推薦作品】孤独のワイン
【作者】イレーヌ・ネミロフスキー
【訳者】芝盛行
【推薦文】
文の構成、表現力が抜群のセンスである。
力量の、深さに魅せられた作品だった。


【推薦者】なみき
【推薦作品】『タコの心身問題』
【作者】ピーター・ゴドフリー=スミス
【訳者】夏目大
【推薦文】
現役の哲学者が書いた哲学書であるのに、こんなにも読みやすい文章でしかも愛らしい! 学術書と意識することなくまるでSFかファンタジーのように読めます。それでいて学術的なところの翻訳が緩いわけではなく、素晴らしい訳業。内容的にもタコやコウイカといった頭足類の、人間とは違う知性のあり方があまりに面白く、読むとタコとコウイカを愛さずにはいられません。ゴドフリー=スミスの一見冷静な筆致から漏れ出す熱い頭足類愛も、訳文からしっかりと感じられます。

書影

【推薦者】ちくわぶ
【推薦作品】折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
【作者】陳楸帆、夏笳、馬伯庸、郝景芳、糖匪、程婧波、慈欣、ケン・リュウ(編)
【訳者】古沢嘉通、中原尚哉、大谷真弓、鳴庭真人
【推薦文】
今世紀の躍進が著しい中国SFの代表的な作家の短編を集めた短編集。
遺伝子改造された鼠の駆除に駆り出される新兵の目を通し現代中国社会を描く陳楸帆「鼠年」は、終盤のカタストロフが、押し寄せる洪水のようで恐ろしくも心地よい。
夏笳「童童の夏」は、遊び盛りの少年の視点で、隠居を余儀なくされた働き者の祖父と最新技術の関わりを語る。中盤以降、次第にテンポを上げつつ風呂敷を広げてゆく物語はウキウキする。
景芳「折りたたみ北京」では某アニメを思わせる馬鹿々々しいほど無駄にスケールが大きい仕掛けと、それを出し抜こうとする主人公のオッサン老刀のささやかな目的の対比が光る。
地球に押し寄せたUFOの正体は老人エイリアンの大群だった。劉慈欣「神様の介護係」は、高齢化社会を皮肉りつつ、可笑しくもやがて切ない空気が漂う傑作。
幻想的な作品からSFならではの大法螺、高度技術と社会の関係など、色とりどりの作品が味わえる。

書影

【推薦者】たまえ
【推薦作品】美しき免疫の力
【作者】ダニエル・M・デイヴィス
【訳者】久保尚子
【推薦文】
ノンフィクションは苦手だが、小説を読んでいるような感覚でとても読みやすかった!免疫について全く予備知識のなかった私でも、免疫学とは何かと、現在の研究をぼんやりと理解することができた。解説も豊富。
特に前半は免疫学の歴史が順を追って丁寧に書かれているので、唐突に専門用語が出てくるようなことはなく、置いてきぼりにならずに最後まで読めた。文章も流れるようにスムーズで、まるで日本語で書かれた作品を読んでいるよう。ノンフィクションの面白さを知れた作品。


【推薦者】藤谷治
【推薦作品】三つの物語
【作者】フローベール
【訳者】谷口亜沙子
【推薦文】
フローベールの最重要作品のひとつであるばかりか、最も感動的な小説であるにもかかわらず、長らく入手困難だったこの作品に、精緻で、清新で、情愛のこもった翻訳が現れたのは、本当にうれしい驚きでした。これまでの翻訳に比べても遜色ないどころか、ベストではないかと思います。


【推薦者】齊藤誠
【推薦作品】エアスイミング
【作者】シャーロット・ジョーンズ
【訳者】小川公代
【推薦文】
シャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』(幻戯書房)、初読は戸惑ったが、再読で電動泡立て器と穿頭術の組合せが(私の勝手な解釈だが…)、収監(入院)の経緯という過去と、脱獄(退院)の可能性という未来を遮断され現在を必死に生きる2人の女性が繰り広げた誠実な愛について、可笑しみを持った表現だと思った。読んでいて昨年6月、アイルランドのMagdalen Laundriesに関するNew York Timesの記事を想起した。エアスイミングは1922年から72年の物語だが、女性の社会からの隔離は過去のことではないということなのかもしれない。いずれにしても、年末の戯曲の再演、期待したい。翻訳の文章、とても軽快で日本語の文章に惹きつけられた。また、翻訳の訳者注(特に大学研究者のもの)は、どうしても衒学的になるところが、必要にして十分な注で読者としては読むリズムが保てた。

書影

【推薦者】安田直人
【推薦作品】82年生まれ、キム・ジヨン
【作者】チョ・ナムジュ
【訳者】斎藤真理子
【推薦文】
この小説の構造は複雑で、発病する以前のキム・ジヨンの語りと、発病したキム・ジヨンの語り(ジヨンを乗っ取って語る多くの女性の声)を聴き取る精神科医のカルテが大半を占める。この複雑な声の訳し分けが鮮やか。しかも解説が良く説明しているような韓国の歴史的事情に精通していなければ、殆ど意味の通らない言葉が、しっかりと訳し出されている。斎藤氏は既に韓国文学翻訳家として第一人者であるが、この訳業は偉大である。

書影

【推薦者】NAO.I -
【推薦作品】奇跡の大地
【作者】ヤア・ジャシ
【訳者】峯村利哉
【推薦文】
民族間抗争や奴隷貿易など。史実を交えながら淡々と綴られる筆致の奥に、マグマのような熱を感じさせる。一人ひとりの人生が独立した物語になりそうなほど濃密で、その濃密な生きざまをさらに研ぎ澄ませ、壮大な大河として読ませてくれた。


【推薦者】mihoct
【推薦作品】ガルヴェイアスの犬
【作者】ジョゼルイスペイショット
【訳者】木下真穂
【推薦文】
日常の、乾いた空気が伝わってくる。何気ない行動の残酷さを、第三者的立場の文章ではあるのに、共感が湧き上がる。日本語を読みながら、原文を想像できる文章だ。

書影

【推薦者】森岡伸一
【推薦作品】ホール
【作者】ピョン・ヘヨン
【訳者】カン・バンファ
【推薦文】
【推薦文】
一瞬の出来事で人生が一変してしまった主人公オギの心の描写が巧みでテンポがいい。じわじわと迫ってくる恐怖は、中盤の義母が何かに取り憑かれたように庭に穴を掘るあたりから結末は想像できるが、妻と義母の怨念ににも似たオギへの執念に恐怖を感じる。やはり、女は怖い。


【推薦者】noby829
【推薦作品】Firewatch(ファイアー・ウォッチ)
【作者】Campo Santo
【訳者】福嶋美絵子
【推薦文】
当該作は2018年2月リリースのPlaystation用ゲームタイトルの日本語版。1989年、面倒な生活から逃げ出すように森林火災監視員となった男『ヘンリー』と谷の向こうにある別の監視塔の女性上司『デリラ』との対話は、すべてトランシーバーを介して行われるのが特長の本作。中年男女にありがちな言い回しやストーリーが進むに連れて変化するお互いの心情や信頼感はもちろん、ユーモアやジョークも含めすべてを見事に翻訳し切ったと言え、見事。


【推薦者】「只今小説熟読中」
【推薦作品】或る家の秘密
【作者】スティーヴ・ロビンソン
【訳者】高里ひろ
【推薦文】
家計調査士である主人公が依頼を受け、調査するためにイギリスに渡るところから始まり、複数の場所、時代で物語は進んでいくのですが、文章から情景、感情がよく伝わり、一喜一憂しながらのめり込んで読んでいました。
そして徐々に明らかになりつつも、謎が謎を呼ぶ展開で物語が進み、やがて浮かび上がってきた真実を知ったとき、鳥肌が立ったことを今でも覚えています。
本当に面白かったです。


【推薦者】星落秋風五丈原
【推薦作品】鯨
【作者】チョン ミョングァン
【訳者】斎藤真理子
【推薦文】
解説では本書をパンソリに例えていたが、読んでみると落語に近い。先に出したわざと長ったらしい文節と「起こった出来事」の次に必ずついてくる「これは~の法則である。」という決まり文句がリフレインで登場するので、わざと同じパターンを強調するのか、いちいち抑揚を変えて論じるのか、語り手によってアレンジをつけられて面白い。「鯨は望んでも得られぬもの」の象徴らしいが、どちらかというと女達が持っているエネルギーの塊のように見える。


【推薦者】祐太郎
【推薦作品】すべての、白いものたちの
【作者】ハン・ガン
【訳者】斎藤真理子
【推薦文】
早産で自宅で生まれわずか2時間の命で逝ってしまった姉を思い描き出す、白いものをめぐる随筆集。作者の創り出す「儚さ」を翻訳しきった翻訳者の技量に驚愕する。読みながら、私は韓国人なのか、日本人なのか、その境界線(それも儚いものかもしれない)が喪失するような感覚に襲われた。


【推薦者】槙野さやか
【推薦作品】何があってもおかしくない
【作者】エリザベス・ストラウト
【訳者】小川高義
【推薦文】
本作は故郷から逃げた作家を中心とする、逃げた/逃げなかった人々の話です。逃げた人間は永遠にそれを内面に刺青しています。私は「逃げた」人間です。だからこの本は「私の本」なんだ。
世界中でそのような勘違いをさせるのが力のある翻訳文学なのでしょう。私は紙に字が書いてあるのを読めばだいたい嬉しいのですが、その中に時折「私の本」があります。2018年のそれが、『何があってもおかしくない』です。
エリザベス・ストラウトを私は好きでした。小川高義翻訳作品を私は長く読んできました。けれども、今回の投票はそうした小説消費者の恒常的好意によっておこなうものではありません。私はただ「これは私の小説だ」という勘違いによって本作に一票を投じます。
どうした巡り合わせか、河出書房新社の坂上陽子さんが私に本作を送ってくださいました。それでこの小説についての文章を『文藝』2019年春季号に書きました。この投票にもそのときに用いた筆名の使用を希望します。 槙野さやか 拝

書影

【推薦者】杉山寛子
【推薦作品】トマト缶の黒い真実
【作者】ジャン=バティスト・マレ
【訳者】田中裕子
【推薦文】
読後、トマト缶に限らず食品のラベルを念入りにチェックするようになりましたが、本質はそこじゃない。
グローバル経済の闇が広がっていく過程がみえる。
過酷な労働状況や工場の描写に恐れおののくと同時に、どこか「他人事として面白がって読んでいる自分」がいることに寒気を覚えます。
幾多の国をまたいでの潜入レポートは、命がけだったのではないでしょうか。知ることが出来てよかった。


【推薦者】けいとだま
【推薦作品】アンデルセンのおはなし
【作者】ハンス・クリスチャン・アンデルセン
【訳者】江國香織
【推薦文】
アンデルセンの珠玉の物語を、『ムギと王さま』などの挿絵で知られる画家・エドワード・アーディゾーニが選び、美しい絵を施した本書。時をこえて、今、作家・江國香織氏が詩的で深い解釈にもとづいた翻訳で、アンデルセンの新しい魅力を私たちに届けてくれています。

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【推薦者】junco T
【推薦作品】自転車泥棒
【作者】呉明益
【訳者】天野健太郎
【推薦文】
ジョンアーヴィングの初期の小説を初めて読んだときのような衝撃と感動でした。ブッカー賞候補もうなずける作品でした。そして、天野健太郎さんは、この小説を素晴らしい訳で日本に紹介して下さいました。突然の訃報には大変ショックを受けました。この一年、いえこの十年で最も素晴らしいと思ったこの小説を、推薦させて頂きます。

書影

【推薦者】椎野貴晃
【推薦作品】わたしたちが火の中で失くしたもの
【作者】マリアーナ・エンリケス
【訳者】安藤哲行
【推薦文】
アルゼンチンを舞台とした十二編からなる短編小説。肌で体験したような恐怖を味わった。この本を毎晩一編か二編ずつ読んでいた頃、何度か不気味な夢を見て一晩経っても怖い思いをしていたのは良い読書体験でした((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


【推薦者】はるたま
【推薦作品】カササギ殺人事件
【作者】アンソニー・ホロヴィッツ
【訳者】山田 蘭
【推薦文】
 ミステリのゲラを読む、という入れ子構造からどんどん話は広がり最後はパチン!!翻訳小説ならではの読み応えにゾクゾクしました。読み返してまた仕掛けにニヤニヤ。うまいなあ。作者と翻訳者にやられた気分です。

書影

【推薦者】さち
【推薦作品】ホール
【作者】ピョン・へヨン
【訳者】カン・バンファ
【推薦文】
読み始めるとあっという間に、小説に中に引き込まれました。ストーリー自体も面白かったのですが、すごく読みやすい文章に仕上がっているからでしょうか。
韓国の本は独特の表現方法など強い癖のようなものをいつも読むと感じるのですが、この本の翻訳はさりげない感じでその癖を残しつつ、日本語を活かした文体になっているところにも感心しました。
これからどんな本を訳していかれるのか楽しみにしています。


【推薦者】盛下理子
【推薦作品】変わったタイプ
【作者】トム・ハンクス
【訳者】小川高義
【推薦文】
どの短編集もそのまま優れた短編映画になりそうなほど、細部に渡ってリアリティと臨場感があり(読んでいて映像が浮かぶ)、思わずトム・ハンクスが、今まで手にしたであろう数多の脚本(未発表も含めて)からヒントを得て書き、故に後で訴えられないかと心配したほど(杞憂です)どれも個性的でオリジナリティに溢れている。
もちろん、独特のドライブ感とリズム感のある訳文も見事。
個人的には『過去は大事なもの』が何故か好き。

書影

【推薦者】川内有緒
【推薦作品】津波の霊たち
【作者】リチャード・ロイド・パリー
【訳者】濱野大道
【推薦文】
 外国人ならではの少し距離のある視点で、しかも細やかに冷静に、震災直後、そしてその後に起こったことに迫っていくゆく。誰かを糾弾する偏った姿勢ではなく、ただそこにいる人々の苦しみと分断を炙り出してゆく。いつまでに胸に残る素晴らしい一作でした。

書影

第五回日本翻訳大賞開催決定

第五回「日本翻訳大賞」の開催が決定しました。

まずは読者推薦作品の募集からはじまります。


募集期間は、2019年1月15日(火)から1月31日(木)まで。

対象となるのは、2017年12月1日から2018年12月31日までに発表された翻訳作品です。


「日本翻訳大賞」は「翻訳家がつくる翻訳賞」です。

「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」。

選考委員は、現在日本の翻訳文学を牽引する翻訳家5名です。

2014年、翻訳家・西崎憲のつぶやきに、ゲームクリエイターの米光一成が賛同したことがきっかけとなり日本翻訳大賞は設立されました。

【選考委員】金原瑞人、岸本佐知子、柴田元幸、松永美穂、西崎憲


年に一度、翻訳好きが集まる祭典

2014年、わずか1日でクラウドファウンディングの目標額をクリアし、最終的に385人もの方々から約340万円の支援を受けて設立されたのが日本翻訳大賞です。授賞式は新宿・紀伊国屋サザンシアターで行われ、300名以上が来場。朗読や生演奏を交えた授賞式には翻訳書のファンが集い、他に類を見ないイベントとして好評を博しました。


受賞作品/受賞者

第一回

『カステラ』パク・ミンギュ、ヒョン・ジェフン/斎藤真理子訳(クレイン)

『エウロペアナ:二〇世紀史概説』パトリク・オウジェドニーク/阿部賢一、篠原琢訳(白水社)

読者賞 『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ/東江一紀訳(作品社)

第二回

『素晴らしきソリボ』パトリック・シャモワゾー/関口涼子、パトリック・オノレ訳(河出書房新社)

『ムシェ 小さな英雄の物語』キルメン・ウリベ/金子奈美訳(白水社)

第三回

『すべての見えない光』アンソニー・ドーア/藤井光訳(新潮社)

『ポーランドのボクサー』エドゥアルド・ハルフォン/松本健二訳(白水社)

第四回

『殺人者の記憶法』キム・ヨンハ/吉川凪訳(CUON)

『人形』ボレスワフ・プルス/関口時正訳(未知谷)

第四回日本翻訳大賞 受賞作決定

第四回日本翻訳大賞の選考会が平成30年4月14日(土)早稲田で行なわれ、候補作品の中から『殺人者の記憶法』(キム・ヨンハ/吉川凪訳 CUON)『人形』(ボレスワフ・プルス/関口時正訳 未知谷)が受賞作に決まりました。

授賞式&トークイベントは2018年4月28日(土)、デジタルハリウッド大学  駿河台ホールで開催します。
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<第四回日本翻訳大賞 授賞式&トークイベント>
【日時】2018年4月28日(土) 14:30開演(16:30閉会)
【会場】デジタルハリウッド大学  駿河台ホール
【内容】選考委員全員が壇上で座談会的に総評、受賞訳にたいする選評、受賞者挨拶、受賞者と委員の対談、朗読など、イベントとしてもお楽しみいただける内容を予定しております。
【チケット】Peatixで予約受付中。
https://nht180428.peatix.com
【料 金】1,000円 (税込・全席自由)   ※チケット代金は日本翻訳大賞の運営費に充てさせていただきます。

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授賞式は、選考委員が選考会を振り返る座談会や、受賞作に関するトーク、受賞者との対談など、翻訳に関するイベント満載のカジュアルな式を企画しています。ぜひ、お気軽にご参加ください!

第四回日本翻訳大賞 授賞式&トークイベント

授賞式までのスケジュールが決定しました。


4/14(土) 最終選考会
4/15(日) 受賞作発表
4/28(土) 授賞式&トークイベント

授賞式&トークイベントは2018年4月28日(土)、デジタルハリウッド大学  駿河台ホールで開催します。

JTA 2017-17

<第四回日本翻訳大賞授賞式>
【日時】2018年4月28日(土) 14:30開演(16:30閉会)
【会場】デジタルハリウッド大学  駿河台ホール
【内容】選考委員全員が壇上で座談会的に総評、受賞訳にたいする選評、受賞者挨拶、受賞者と委員の対談、朗読等々イベントとしてもお楽しみいただける内容を予定しております。
【チケット】Peatixで予約受付中。
https://nht180428.peatix.com
【料 金】1,000円 (税込・全席自由)   ※チケット代金は日本翻訳大賞の運営費に充てさせていただきます。

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授賞式は、選考委員が選考会を振り返る座談会や、受賞作に関するトーク、受賞者との対談など、翻訳に関するイベント満載のカジュアルな式を企画しています。ぜひ、お気軽にご参加ください!

第四回日本翻訳大賞最終選考候補作品

第四回日本翻訳大賞の最終選考対象作が下記の5冊に決まりました。
(作品名50音順)


 

『オープン・シティ』テジュ・コール、小磯洋光訳、新潮社

『殺人者の記憶法』キム・ヨンハ、吉川凪訳、CUON

『死体展覧会』ハサン・ブラーシム、藤井光訳、白水社

『人形』ボレスワフ・プルス、 関口時正訳、未知谷

『ビリー・リンの永遠の一日』ベン・ファウンテン、上岡伸雄訳、新潮社

5作大

翻訳ナイトの予約スタート

第四回日本翻訳大賞選考委員によるトークイベント「翻訳ナイト」の日時が決定しました。

【翻訳ナイト】
日時:3月31日(土)開場17:30 18:00~19:30
料金:1080円(税込)
登壇者:金原瑞人、岸本佐知子、柴田元幸、西崎憲、松永美穂、米光一成
定員:110名
場所:青山ブックセンター本店
予約サイト
http://www.aoyamabc.jp/event/besttranslationaward4/

 

皆様の御協力で日本翻訳大賞も四回目を迎えることができました。二〇一七年は翻訳の当たり年で、素晴らしい翻訳書が何冊も何冊も現れました。そのぶん選考も大変になりそうですが、もちろんそれは嬉しい大変さということになります。
イベント当日には、二次選考対象作品十八作品から、最終選考に臨む五作が決定しています。十八作のこと、五作のこと、そして翻訳のあれこれを語る楽しい一夜にしたいと思っております。春の一夜、翻訳の夜に、ぜひ御来駕ください。

選考委員一同