第七回日本翻訳大賞 推薦作品リスト2

ここでは皆さまから推薦をうけた作品と推薦文を紹介していきます。
※推薦文のすべてが掲載されるわけではありません。予めご了承ください。

「第七回日本翻訳大賞 推薦作品リスト1」はこちら

「第七回日本翻訳大賞 推薦作品リスト3」はこちら


【推薦者】佐藤柿杵
【推薦作品】『よそ者たちの愛』
【作者/訳者】テレツィア・モーラ/鈴木仁子
【推薦文】
 この短編集を上梓した2年後に著者(ハンガリーの村育ちで独語とハンガリー語の両方が母語)は独語文学の最高の栄誉であるビューヒナー賞受賞ですが邦訳は初のよう。11年前のヴィルヘルム・ゲナツィーノの『そんな日の雨傘に』の訳も印象深い鈴木仁子さんが私たちに届けてくれた。訳者あとがき最後のパラグラフに「だれが話しているのかわからないことがある、とどこかの評で読んだことがあったが、ドイツ語読者にとってもいささか混乱を招くらしい変幻自在でスピード感のあるその語り」を「日本語という、三人称と一人称がすでに渾然一体となっているような言語」にそのまま移すのは難しかった、と。そうした苦闘は言われてみて初めて気づく。どうやったらここまで手の跡も何も残っていないまま見事に訳文を焼けるのか。「チーターの問題」における滑稽詩の引用、作者の半自伝的作品らしき「求めつづけて(ア・ラ・ルシェルシュ)」の「たとえば、ここで(ここでなくてもいいけど)私が見ている人々は、いなくてもいい存在だ。たいていの人間は余分なのだ。」で抱く素晴らしさと口のなかに缶切りの刃を突っ込まれたような痛み。訳文のまっすぐな妙味。


【推薦者】ケイ
【推薦作品】『雷鳴に気をつけろ』
【作者/訳者】ジョン・スタインベック/真崎義博
【推薦文】
 身体を張り、家族を養い、罵声を浴びせ、それでも男であろうとする開拓地のヤンキーたち。彼らを全面に出す文学を、もうメジャーに据えることは出来ないのだろうか。その土地において彼らが追いやったネイティブのように、文学では今は彼らが去るように促されているように思える。スタインベックと同じ時代に、逞しく脆い白人のアメリカ人を描いたジム・トンプソン。彼の未訳作品が今も訳出され続けていることに、そのおかげで去りゆく種族の文学を読み続けられることに感謝したい。「開拓者であるアメリカ人としての務めを知る者たち。飢え、働きすぎで、子だくさんであろうと、通りすがりのよそ者のために、1羽しか残っていない卵を産める雌鳥を殺す妻たちや、やせ細った夫たち。礼以外のものはものは受け取らずに。よそ者も同じ白人でアメリカ人だからだ。アメリカは広大で独立した国で、アメリカ人は団結していたからだ」 こんな無法者文学はここにしかない。荒削りで、男臭い。その間に散りばめられている美しい比喩が、さらに郷愁を募らせる。「春は乙女のように谷のベッドに滑り込み」、「冬は娼婦のように」。


【推薦者】湯地井田
【推薦作品】『医師が死を語るとき』
【作者/訳者】ヘンリーマーシュ、大塚紳一郎
【推薦文】
 脳外科手術に代表される医療が、「モラル上の贅沢」であるのか、と問う本を、もう一つの「贅沢」の代表である精神分析家が訳しているというのがまず面白い。次に、イギリスの片田舎とチベット高地の自然描写が美しい。映像というより写真的な。専門職者の内省を翻訳できるのかどうかという実験の要素もある。

書影
 

【推薦者】阿部賢一
【推薦作品】『山の花環 小宇宙の光』
【作者/訳者】ペタル二世ペトロビッチ=ニェゴシュ、田中一生・山崎洋訳
【推薦文】
 19世紀のモンテネグロの詩人による叙事詩二篇の全訳。原文の十韻脚を、七七調の十四脚の日本語に移し替え、意味ばかりか、詩の調べも見事に訳出している。カトリック、イスラム、正教のそれぞれの言葉が時に共鳴し、時に反響し合う詩文そのものが、バルカンの複雑な世界を体現しているかのようだ。理解は容易ではない、だが丁寧な訳註や年譜を手がかりに、示唆に富む言葉に遭遇できることは僥倖にほかならない。

「苦しみなくば謡(うた)は生まれず、/苦しみなくば剣鍛(つるぎう)たれず!」(『山の花環』)

書影
 

【推薦者】群馬のヘラジカ
【推薦作品】『戦争とテレピン油』
【作者/訳者】ステファン・ヘルトマンス/新目亜野
【推薦文】
 戦争と芸術に生きた祖父の手記を読み解き、その生涯を物語として再構築した、鮮やかで高精細、そして力強い傑作。前半は朴訥として穏やかだけれど、愛情や哀しみが感じられる文章が大変美しいです。凄惨な戦争を描いた後半は、一転して迫力のある筆致。視点とトーンが変わるので、翻訳も苦労したに違いないと思いながら読んでいました。読んでいてここまで体験させる戦争文学には久々に出会った気がします。抑えられた文章のなかに生命感を感じる素晴らしい作品。読み終えたあと一つの長大な旅を終えたような感覚を味わいました。

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【推薦者】椋鳥
【推薦作品】『無の国の門』
【作者/訳者】サマル・ヤズベク著  柳谷あゆみ訳
【推薦文】
 アサド大統領と同じアラウィー派出身の作者は、反政府の立場を貫き祖国シリアを逃れてパリへ。その後三度にわたって内戦状態の祖国へ戻り、苦しむ市井の人々の声、とりわけ同性という立場を生かして戦火のなかでの女性の日常を丹念に拾い、リアルに描き出している。ネット上で聴いた作者のインタビューが心に刺さった。私は作家だ、作品は文学として読んでほしいのに、例えばノーベル文学賞を受賞したマフフーズの作品でさえ、「文学」ではなくアラビア語で書かれた作品という物珍しさで読まれる。英語や仏語の作品では誰もそんなことは考えないのに、といった趣旨だった。重い内容ではあるが、本書の文章はとても美しい。きっとアラビア語の原文も優れた描写力に満ちた美しいものなのだろうと思う。内戦についての記録文学である本書のなかで、作者はあえて自身を「語り部を演じる架空の人間」としている。このことの意味を、読み終えてずっと考えている。


【推薦者】古川耕
【推薦作品】『理由のない場所』
【作者/訳者】イーユン・リー/篠森ゆりこ
【推薦文】
 するどい彫刻刀のような言葉で人生の陰影を彫り続けてきた著書が、16歳の息子の自死という、「壊滅的レヴェル」な悲劇からわずか数週間後。「ハリケーンの目」の中で一気呵成に書き上げたという本作は、推敲が創作過程のうちでもっとも好きだというこの作者らしからぬ、加工処理が行き届いていないような生々しさ、飲み下しにくさを感じた(2、3の言葉を変更したのみであとは第一稿のままだという)。「自死した息子と母親の<生と死の境界>を越えた対話(の小説)」というそもそも特異な設定も含め、本作をこのかたちで届けることが出来たのは、リー作品を翻訳し続けてきた篠森さんならではと思う。後書きがまた素晴らしくて、ここに付け加えることはほとんどない。


【推薦者】別府温泉
【推薦作品】『わたしたちが光の速さで進めないなら』
【作者/訳者】キムチョヨブ(著)カンバンファ(訳)
【推薦文】
 ノスタルジックな雰囲気のスペースもの。 近代的、宇宙航空技術論の記述とともに物語が進行されているが、訳者の力量によるものであろう、技術論とストーリーのほんわかとしたマッチングが心地よい。

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【推薦者】ダイチ@文学ラジオ空飛び猫たち
【推薦作品】『失われたいくつかの目録』
【作者/訳者】ユーディット・シャランスキー/細井直子
【推薦文】
 喪失についての内容かつ、本こそ記録するにあたりもっとも完璧なメディアという内容も面白かったが、ソーシャル・トランスレーティングというプロジェクトで様々な国に翻訳されているのも面白いと思いました。この本を日本語で読めて、本当に感謝しています。


【推薦者】おさかなパン
【推薦作品】『梨の子ペリーナ イタリアのむかしばなし』
【作者/訳者】イタロ・カルヴィーノ/関口英子
【推薦文】
 本国でよく知られた(つまり物語として完成されている)むかしばなし、巨匠カルヴィーノの文(再話)、日本語版の画家は美しい画風でファンの多い酒井駒子さん。どこを取っても、作品それ自体がすばらしいですが、それらをしっかりと支えているのが、関口英子さんによる訳文だと思います。とても長い時間をかけて推敲なさったと聞きました。むかしばなしらしいリズム、文学的な格調の高さ、絵本ならではのやさしくあたたかみのある雰囲気、これらすべてを実現している文が、過度にでしゃばらず絵といっしょになってひとつの物語を奏でている。絵本の理想の姿です。翻訳者の力量にうなりました。日本語版で読めて幸せです。

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【推薦者】中村久里子
【推薦作品】『マーダーボット・ダイアリー』
【作者/訳者】マーサ・ウェルズ/中原尚哉
【推薦文】
 人称と語尾が多彩な日本語への翻訳によって、原文にさらなる魅力が付加された好例だと思います。「弊機」という一人称と敬体の語りによって、主人公の殺人ロボット「マーダーボット」のキャラクターが瞬時に確立され、連続ドラマに「耽溺」する様も、任務にあたっては冷徹かつ剛腕を発揮する様も、いろいろこじらせてぼやいたり悩んだり毒舌をはいたりする様も、すべてがとにかく愛おしいのです。一人称視点の敬体でも、アクションシーンがいっさい間延びせず、スピード感臨場感たっぷりの鮮やかな日本語になっている翻訳の質の高さには、心から感嘆しました。SFならではの緻密に構築された世界に畏怖の念を抱きつつも、弊機の過去をめぐる物語はまるでYA文学のようでもあり、さまざまな楽しみを与えてくれる作品でした。

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【推薦者】KーKO
【推薦作品】『セヘルが見なかった夜明け』
【作者/訳者】セラハッティン・デミルタシュ /鈴木麻矢
【推薦文】
 日本から遥か遠く、文化も違うトルコの作品を読める喜びを感じつつ、その文化の違いを目の当たりにして衝撃を受けました。重い内容もリズムよく、また、情景が浮かぶが如く描かれており、一気に読み終え、心に余韻を残す作品でした。別の作品も読んでみたくなりました。

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【推薦者】瀧井朝世
【推薦作品】『白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語』
【作者/訳者】ツェワン・イシェ・ペンバ/星泉
【推薦文】
 前世紀のチベット、奥地の谷を舞台にした少年2人の成長譚が主軸で、エンターテインメント性の高い物語として引き込まれた。それだけでなく、この地の、文化略奪を含む近現代史が分かる点でも意義深かった。生活風習や宗教観や共同社会のあり方についても興味深く、チベット文化をよく知る訳者でなければ成しえなかった翻訳だと思う。アジア各地の文学の邦訳がもっと広まるように、との期待もこめて。 

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【推薦者】吉井古都子
【推薦作品】『パトリックと本を読む/絶望から立ち上がるための読書会』
【作者/訳者】ミシェル・クオ/神田由布子
【推薦文】
 台湾系アメリカ人ミシェル・クオによる初めての執筆本。アメリカ社会が根深く抱える差別、貧困、教育の格差などからくる犯罪や事件を綺麗事抜きに描いている。パトリックはミシェルの導きにより豊かな本読みになり詩を書くようになる過程は希望だ。前科はつくが拘置所でパトリックはミシェルとの時間の共有によりまた本を能動的に読み成長していく。この本を読み進めるうちに音楽と映像が浮かび、まるでミニシアター系の映画館で静かに美しい映画を観たような読後感すらある。また、本を読む歓びと、本が人生にもたらす素晴らしさをあたらためて感じさせてもらった貴重な本となった。この本を訳してくださった意義を深く考え、著者と訳者に感謝し敬意を表したい。


【推薦者】大野寛
【推薦作品】『舎弟たちの世界史』
【作者/訳者】イ・ギホ/小西直子
【推薦文】
 1980年代、全斗煥政権下の韓国で身に覚えのない罪を着せられる男の人生を描いている。圧倒的に軽やかながら切実かつ誠実な語り口で、人々を「舎弟」化するシステムの暴力を物語る。この小説の優れているところはなんといってもその語り口だと思う。非人間的なシステムが「持たざる者」をこれでもかと痛めつけ、その人の一番奥底にある尊厳までもはぎとる瞬間。どこにも行き場の無いような、宿命的な雰囲気の漂う世界。言ってしまえばそんな救いのない物語を、これでもかとユーモアと皮肉をまぶして切り取る語りが素晴らしい。なかば諦観が混ざったような語り口が読者を物語に巻き込みながら、その中にときどき怒りが滲むとき、我々にもこの語りの中のユーモアはただのユーモアではなかったんだと分かる。今にも通ずる歴史と社会の暴力をしっかりと語り切る物語と、それを伝えきる翻訳に胸打たれました。

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【推薦者】ザイトゥーナ ザイトゥーナ
【推薦作品】『無の国の門』
【作者/訳者】サマル・ヤズベク/柳谷あゆみ
【推薦文】
 祖国から亡命しフランス在住の女性作家が、混迷する故国シリアの現実を取材するため三度の国境越え(密入国の形で)を試みる。シリアの現状を打開しようと模索する人々の生々しい声、特に社会に埋もれがちな女性や子どもたちの声なき声を丹念に拾い上げ、自分が「語り部」となって世界に伝えようと危険と隣り合わせの取材に身を投じる作家の使命感、美しく力強い言葉に心を打たれた。反体制派であり、少数派のアラウィー派でもある彼女のアイデンティティが作品全体に貫かれ、アラブ口承文学の伝統を感じさせる詩的な文体に魅了される。 ISの兵士がドア越しにいることに気づくシーンは迫真の一言。このような素晴らしい作家がいること、そしてシリア社会で起きたことを見事な翻訳で伝えてくれた訳者に感謝したい。


【推薦者の名前】かもめ通信
【推薦作品】『女であるだけで』
【作者/訳者】ソル・ケーモオ /吉田栄人
【推薦文】
 「社会的正義」をテーマに、ユカタンマヤ先住民族の女性の夫殺しと恩赦を法廷劇的手法で描いた、ラテンアメリカ文学×フェミニズム小説。女であるがゆえのあれこれとともに、先住民族であるがゆえの貧困や差別の問題をも告発。一見平易な文章の中に、力強い信念が感じられる物語。作品の背景にある文化や思想に深い造詣がある訳者ならではのすばらしい翻訳だと思う。

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【推薦者】ぶたまる ぴんすけ
【推薦作品】『海女たち』
【作者/訳者】ホ・ヨンソン/姜信子・趙倫子
【推薦文】
 風光明媚な済州島で起きた、暗黒な「4.3事件」のことを知ったのは、つい最近だし、この島に海女さんたちがいたことも、彼女たちが朝鮮や日本各地を渡って働いていたことも、日本帝国から徴用されたことも、生きる権利のために起ち上がった歴史も、私は知らなかった。たいていの日本語読者が同じと思う。多くの読者にとって不案内な、しかし人間の魂が豊穣に沸き返っている世界へ、詩の力で誘う。原詩はもちろん、こんなすごい企みをされた翻訳者と版元の心映えにも打たれる。読者を心づくしの案内で誘う、編集の仕事がすばらしい。誠実で行き届いていて胸を打たれた。「ジャーナリストが詩をもって、描かれた者の声を叫ぶ」その類いまれな企図の紹介(インタビュー)も、親切な地図もありがたい。黒地の挿画もいい。冷たい潮や、磯笛の響きや、苦難を胸にたくし込んだ潮焼けした顔や、海のように深い眼差しを思い、もっと知りたくなり、世界が広がった。

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【推薦者】加藤篁
【推薦作品】『スパイはいまも謀略の地に』
【作者/訳者】ジョン・ル・カレ/加賀山卓朗
【推薦文】
 60年代の冷戦時代からずっとスパイ小説界のトップランナーで在り続け、昨年12月に亡くなったジョン・ル・カレの遺作を推薦します。
 世界の矛盾と欺瞞、そして踏みつけられる弱者の悲哀を描いてきた巨匠の最後のテーマは、イギリスのEU離脱。イギリスやトランプ政権下のアメリカといった自国の利益しか考えられなくなった大国、分断と不寛容の時代へのル・カレ88歳の静かな怒りが伝わってくる。それでも、いつもの切って捨てるような終わり方ではなく、次の世代へ希望を託すような余韻が感じられるのは、本作が遺作であるという予断のせいだけではないと思う。
 また、独特のまわりくどい言い回しや英国風レトリックが多用され難解と言われる(昔よりは随分読みやすくなったけど)ル・カレの文章を、その魅力と歯応えをしっかり残しながら読者にストレスなく読ませる加賀山卓朗さんの翻訳のご苦労にも感謝の気持ちを贈りたいです。

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【推薦者】まえだようこ
【推薦作品】『マーダーボット・ダイアリー』
【作者/訳者】マーサ・ウェルズ/中原尚哉
【推薦文】
 この作品については日本語訳の方が好きなのです。「弊機」の語りを読んでしまったら、原書には戻れません。だって “I” でしょ? 「弊」の文字に所詮は機械という自虐がただようし、まわりの人間にたいする慇懃無礼な態度にもぴったりで、これ以外の一人称はもう考えられません。敬語を崩さず、無表情で、仕事が終わるまで頭のなかでドラマを再生して耐える弊機……共感する人も多いんじゃないでしょうか。

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【推薦者】南森町三郎
【推薦作品】『荷を引く獣たち-動物の解放と障害者の解放』
【作者/訳者】スナウラ・テイラー/今津有梨
【推薦文】
 はじめに、「世界中には約十億人もの何らかの障害を抱えている人がいる」という事実に著者が驚愕する場面があります。そして、世界の十五パーセントを占める障害者に滅多に会わないことに疑問を持ち、「障害者は隠されている」と著者は考えます。また、家族旅行で目撃した、トラックの荷台に寸分の隙間もなく鶏たちが詰め込まれている光景の、言い知れない恐ろしい感じを著者は忘れませんでした。この本は読者に対して、障害者と動物はどちらも同じように抑圧されている、という著者の確信を丁寧にかつ強く語りかけてくる本です。特に、「障害は治療の対象で、個人が克服すべき困難である」という考えが、専ら治療を行う側の非障害者から発信されるばかりのこの状況は不当である、という批判が強烈です。「自分自身の障害や苦痛を語る権利は自分だけが持っている」という言葉に籠められた怒りを是非読んでください。

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【推薦者】t norico
【推薦作品】『海と山のオムレツ』
【作者/訳者】カルミネ・アバーテ/関口英子
【推薦文】
 食べることは、すなわち生きること。作者アバーテは、住む場所を変えるたびに新しい文化や食に出会い、自らのアイデンティティを豊かにしてきた。この本はそんなアバーテの自伝的短編集である。作中に出てくるいくつもの料理(特に実家の母が作る家庭料理)は、その見た目や味を想像するだけでも美味しそうで、また、素朴に実直に日々の暮らしを営む人々の姿が思われ、実にあたたかく幸せな気持ちになれる読書だった。
「決して豪勢ではないけれど、地元の土の味のする美味しい食材を、手間と真心とともに調理し、それを親しい人と分かち合い、招き招かれながら人と人とがつながっていく。そんなごく人間的な日常がどれほどありがたいものなのか、この数か月ほど身に染みたことはなかった。」訳者の関口英子さんのあとがきのこの言葉に大いに共感し、また自由に人と出会い、あちこち行ける世の中になるよう願ってやまない。

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【推薦者】こはらみほ
【推薦作品】『ダリウスは今日も生きづらい』
【作者/訳者】アディーブ・コラーム/三辺律子
【推薦文】
 イラン系アメリカ人のダリウスはうつ病で、学校ではテロリストとからかわれる、『指輪物語』が好きな少年だ。生きづらい現実に『指輪物語』のフィルターをかけ、日々をなんとか大丈夫にしている。ゲルマン人のパパは、アーリア人的な超人だ。「アーリア」という言葉は、もともと古代サンスクリット語で、「イラン」の語源だ。ママはイラン人だから、ダリウスは自分が”今の”アーリア人の半分と、”昔の”アーリア人の半分でできていると考え、居心地が悪くなる。ダリウスは言葉への思慮深さがある。ママのふるさとイランに行き、ペルシャ語が詩的で、翻訳するのに難しい言葉があると知る。「ターロフ」(イラン人の社交上のルールで、もてなしと敬礼と礼儀を包含したもの)がそうだ。ダリウスは、翻訳しづらいイランの独特の語彙から文化を知る。『指輪物語』のホビットのように、自分の詩的な心に気付いたダリウスの、〈行きて帰りし〉物語。

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【推薦者】金平肉桂
【推薦作品】『日々の子どもたち あるいは366篇の世界史』
【作者/訳者】エドゥアルド・ガレアーノ/久野量一
【推薦文】
 1日1話、日めくりで語られる短い物語集。著者のエドゥアルド・ガレアーノは、1940年ウルグアイ出身の作家で、60年代からジャーナリストとして活動した後、祖国で起きた軍事クーデターによって投獄され、アルゼンチンからスペインへ亡命したという経歴を持つ。本書で語られる「日々」も、これまで世界中のあらゆる場所で行われてきた人間の蛮行、差別と暴力に関する叙述が多くを占めている。
 とはいえ、これらの物語は神話や伝承をもとにしていたり、詩や掌握小説のようなものがあったりと、読者を決して、重く苦しいところばかりには連れて行かない。それは、著者のガレアーノが名もなき人々の小さな歴史にも光りを当て、世界は恐ろしい出来事ばかりでなく、時折、素晴らしい出来事も見せてくれるということを示しているからだろう。訳者の久野量一氏によって付けられた「366篇の世界史」という副題にも、著者の意図は充分に込められている。

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【推薦者】四時起き人間
【推薦作品】『ブウさん、だいじょうぶ? ともだちが たいへんなことに なっていたら』
【作者/訳者】バレリー・ゴルバチョフ/かわしままなみ
【推薦文】
 ヤギのメエさんとブタのブウさんの友情を描いた絵本。5、6歳から、とあるが、大人も充分楽しめる。絵本には、読み聞かせの際の読みやすさや、繰り返し読まれることに耐えうる文章であることが求められるというが、ユーモラスでリズムのいいセリフと、どんどん膨らむメエさんの妄想に、思わず引き込まれて頁をめくる。きっと子どもたちの絵本はぼろぼろになることだろう。ソビエト連邦の崩壊を機にアメリカに移住したという作者。ブウさんのアップル・パイに象徴されるアメリカと、メエさんのキャベツ・パイに象徴されるウクライナ。移民を受け入れてきた往時の懐の深い国は復活するのか。第26回いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作。

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【推薦者】花海棠
【推薦作品】『舎弟たちの世界史』
【作者/訳者】イ・ギホ/小西直子
【推薦文】
 韓国文学界を代表するストリーテラー、イ・ギホによる長篇小説。大々的なアカ狩りが行われた1980年代の全斗煥軍事政権下を舞台にして、不条理な世の中に翻弄させられ、人生を狂わせていく平凡なタクシー運転手を悲喜劇的に描いている。語りはユーモラスだが、風刺に満ちていて、人間について、社会について様々に考えさせられる。これがたった40年前の隣の国の物語かと思うと恐怖すら感じる。物語のリズムを損なわない翻訳も素晴らしい。

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【推薦者】安聖民
【推薦作品】『海女たち-愛を抱かずしてどうして海に入られようか』
【作者/訳者】ホ・ヨンソン/姜信子、趙倫子
【推薦文】
 「翻訳が繊細で困難な再創造であるということを今回知りました。何度も質問し、済州の海女の情緒とイメージをどれだけつかみとっているかを確認する困難な作業を、日本でふたりの翻訳者がとうとうやり遂げました」―著者ホ・ヨンソンの言葉通り、詩集『海女たち』は再創造された本である。済州島だけでなく、朝鮮半島、さらには日本、中国、ロシアまで旅をした海女たちに直接会って取材した著者は、極限まで息をこらえ海に潜る彼女らの圧倒的な生―生きて、愛して、闘ったその生きざまを詩に編んだ。一人一人の名を冠した詩からは、水に生きたオモニ(母)たち一人一人の息遣いが聞こえてくる。原書の本質をそのままに伝える日本語をよくも探し当てたものだ。また、原書には特に装幀もなかったが、素朴で力強い挿絵が加わり、しっかりと海女の世界を伝えている。詩集『海女たち』はまさに再創造されたと言わざるを得ない一冊だ。ぜひお手に取っていただきたい。

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【推薦者】blue_ blue
【推薦作品】『忘却についての一般論』
【作者/訳者】ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ/木下 眞穂
【推薦文】
 たぶん、翻訳出版されることが無かったら一生手に取らなかったと思う。そのif世界線にぞっとする、そんな初めてのアンゴラ小説。コロナ禍、思っていた以上に孤独な日々だった。息を潜めるように生きる日々に、何の意味があるのだろう?と陽が昇る前の町を走りながら毎日考えていた。動物たちと籠城する女の葛藤、拭いさることのできない恥辱からの、赦し、解放。涙が滲みほど優しく胸に沁みた。とても好きです。読めたことに感謝。

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【推薦者】みけねこ
【推薦作品】『投票権をわれらに』
【作者/訳者】アリ・バーマン/秋元由紀
【推薦文】
 本書はアメリカの投票権法をめぐる様々なせめぎ合いに2020年夏に亡くなった公民権活動家のジョン・ルイスの伝記的要素を絡めて、驚くべきアメリカの実相を描き出したものである。いろいろ考えさせられる内容だが、つくづく民主主義も法律も生き物だと感じさせられた。法廷闘争の場面も多く難解で退屈かと思いきや、エキサイティングな記録となっている。2020年秋の大統領選挙は日本でも多くの注目を集めたが、歴史的な選挙の年にこのような本を読めたのは幸運だった。

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【推薦者】さんたわんた ももた
【推薦作品】『デカメロン2020』
【作者/訳者】イタリアの若者の皆さん/内田洋子さん
【推薦文】
 コロナ禍でロックダウン中のイタリアの若者達の生の声を、ライブのように聴くことができました。内田さんの翻訳は、読むというより、「すーっと耳に入ってきて聴こえる」感じで好きです。エッセイも優しくて愛読していますが、この本は特に今の時代、あらゆる世代の人達に響く作品だと思います。うまく言えないけど、お薦めします。

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【推薦者】ミュウ
【推薦作品】『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』
【作者/訳者】ジェスミン・ウォード/ 石川由美子
【推薦文】
 13歳になったばかりの黒人の少年ジョジョと、大人になりきれない母親レオニの二人によって語られる祖父母とジョジョの幼い妹5人の家族の日常。二人とも心の奥では求め合っているのに、お互いに疎まれていると思い込み、関係はうまくいかない。出所の決まった父を迎えに行ったパーチマン刑務所から三人目の語り手”葬られぬ者”であるリッチーが加わり、物語は時空を行き来する。彼の出現によりジョジョは大好きな祖父の”話したくない過去の出来事”を聞き出すこととなる。人種問題、貧困問題そして家族の問題。現実を考えるとこの家族の未来は決して楽なものではないだろうが、最終章の清々しさに読者としては希望を繋げたい。ピュアで、たくましく成長するジョジョの魅力とともに透明感のある美しい文章で語られる”バイユーの森”も深く印象に残る。ーB・L・Mー

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【推薦者】三月の水
【推薦作品】『熱帯の真実』
【作者/訳者】カエターノ・ヴェローゾ/国安真奈
【推薦文】
 自伝的であり、それがひいてはブラジルの音楽の、政治の、特に60年代を語ることにもなる著作。1997年に刊行されていたが、晦渋な原文から翻訳は難しいと言われていたこの本を翻訳で読める喜び。

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【推薦者】彼らは読みつづけた @findareading
【推薦作品】『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』
【作者/訳者】ミシェル・クオ/神田由布子
【推薦文】
 作者にとって初の著書とのこと。惹き込まれて読みました。貧困地区での読書を通じた授業、その後のある生徒との拘置所での読書など、内容を思い返すたび、「fuzkue」店主・阿久津隆さんの「本を読んでいる人の姿は美しい。」「それはほとんど祈りの姿勢のようだ。」(『本の読める場所を求めて』)という言葉と重ねてしまいます。普段見聞きするよりも深刻な当地の状況が読書だけで解決するわけではもちろんないと思いますが、読書をしている間だけは救われるのかもしれない──。そんなことも、翻訳してくださらなければ考えられなかったこと、感謝しつつ推薦いたします。


【推薦者】仲根(Mrs.ダン) 澄江
【推薦作品】『セヘルが見なかった夜明け』
【作者/訳者】セラハッティン・デミルタッシュ/鈴木麻矢
【推薦文】
 巣ごもり中に図書館でこの本を借りて読んでいました。そんな時偶然に報道でイランの14歳の女子が結婚を反対され父親に殺されたことを知りました。本の中だけではなく、「名誉殺人」という名目で親や兄弟に殺害される女性が、今なお現実にいることを知りショックを受けました。この本を読んで異文化の風習に深く考えさせられました。

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【推薦者】unyue
【推薦作品】『茶匠と探偵』
【作者/訳者】アリエット・ド・ボダール/大島豊
【推薦文】
 この本はフランス人の父とヴェトナム人の母を持つアリエット・ド・ボタールの手になる「シュヤ宇宙」を舞台にした中短篇からセレクトしたオリジナル短篇集である。作者の出自を反映するのだろうかヴェトナムにルーツを持つ登場人物たちによる自由絢爛な物語が展開される。特筆すべきは人間の母の子宮から(!)生まれる生体と機械が一体となり心や性別、そして家族をすら持つ宇宙船=有魂船の設定だろう。この設定が俄かには飲み込めないかも知れないが、読み進むうちに馥郁とした奥行きの深いイメージに理解というよりもまず圧倒されること請け合いである。アジア的大家族をもとにした古来の人間関係と個人の自由や多様性を併せ持つ物語世界は、SFの形を借りて新しい世の中の在り方を提示してくれるようだ。訳者の大島豊氏には、この一際美しく、曇った目を開かせてくれるような物語を訳し、更にまとめて楽しめる短篇集として編み出版して下さったことに敬意を表して日本翻訳大賞に推薦したいと思う。

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【推薦者】湯朝直子
【推薦作品】『忘却についての一般論』
【作者/訳者】ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ/木下 眞穂
【推薦文】
 アンゴラの首都ルアンダ。独立戦争の勃発に動揺したルドが自らを幽閉するところから物語は始まる。独立戦争とはいえ双方にルーツを持つ人も多く、単純な本国対植民地という構図ではない。その上長い内乱が続く。どこが祖国なのか、どう生きるべきなのか。アイデンティティの持ちようと周囲の変化によって、立ち位置はさまざまに異なってくる。そんな「違う立場代表」が本書の登場人物たちである。激動の時代に彼らは幾度も出会う。世界から切り離されたようなルドも、知らぬ間に世界とつながっている。まるでビリヤードの球のように彼らの人生はぶつかり干渉しあい、その軌道はやがて一点に収束する。その瞬間、散りばめられたすべての疑問に答えが与えられ、この世にはまだ光が満ちているのだと感じさせられた。

書影
 

【推薦者】とりっぽん
【推薦作品】『兄の名は、ジェシカ』
【作者/訳者】ジョン・ボイン/原田勝
【推薦文】
 トランスジェンダーの若者が苦悩の末にカミングアウトする話だが、ストーリーテラーがトランスジェンダー本人ではなく、その弟なのがいい。サッカー部のキャプテンで自分の憧れだった兄が突然「兄さんじゃなく姉さんだ」と言い出すのだから弟は混乱し、現実を受け止めきれない。更に母は英国次期首相候補、父はその秘書という家族の社会的立場が物語に複雑な「あや」を与える。身近な人、愛する家族が性同一性障害で苦悶していると知ったとき、家族として、人間として、どうすればいいのか? そもそも「性」って何? 内容は深刻だが語り口は至って軽妙、毒のあるユーモアたっぷりの弟の独白が愉快で、ぐいぐい話に引き込まれる。この辺は翻訳の巧みさに依るところ大だろう。優れたヤングアダルト文学とは、この作品のように、読んで面白く、一つの「答え」ではなく多くの「問い」を与えてくれるものだと思う。

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【推薦者】月うさぎ
【推薦作品】『ラスト・ストーリーズ』
【作者/訳者】ウィリアム・トレヴァー/栩木伸明
【推薦文】
 10編の中の、どの1編も、胸に染み入り余韻に浸らずにいられませんでした。この短編集を最後に、トレヴァーの作品がもう読めなくなってしまうのは、とても残念です。そして最後の短編集は、訳者あとがきにあるように、「トレヴァーの語りの魅力が、今までにないくらいの大輪の花を咲かせている」のを実感するものでした。幾冊かトレヴァーの作品を訳されている栩木伸明さんに、是非トレヴァーを訳していく際のお気持ちや心掛けていることなどのお話を、お聞きしたいです。

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【推薦者】ブルーベリーナイツ
【推薦作品】『賢者の贈り物』
【作者/訳者】オー・ヘンリー/越前敏弥
【推薦文】
 オー・ヘンリーというと、以前に読んだ「賢者の贈り物」「最後の一葉」といった短編から、貧しい人たちの生活を綴った作家という印象を抱いていたが、今回の新訳を読んでみて、辛辣なまでに皮肉のきいた文章と一筋縄ではいかない展開から、単なる〝弱者の味方〟ではないことに気づいた。
 「賢者の贈り物」では、「安アパートに住むふたりの愚かな若者の、どうということはない物語」「最も大切な宝物ふたつを、最もばかげた方法で、互いのために台なしにしてしまった」と言いつつ、最後に「このふたりこそ、ほんとうの賢者だ」と締める。
 「ハーグレイヴスのふたつの顔」では、零落して生活苦に陥りながらも、かつての南部の栄光にすがる少佐が登場する。少佐の時代錯誤ぶりが笑い物になるが、救いの手がさしのべられる。
 人間の愚かさをとことんまで見つめたうえで、それでも生きていかなければならない人間の悲喜劇を描いた作家なのだと理解した。

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【推薦者】maumau
【推薦作品】『ミルクマン』
【作者/訳者】アンナ・バーンズ/栩木玲子
【推薦文】
 政治的に緊張している地域では、何気ない身ぶりがすべて深読みされ、政党/宗教/コミュニティ/血縁/性別/年齢……で解釈され位置づけられる。本の歩き読みが好きな主人公は解釈不能の奇人変人として社会にはじかれる。これはもう他人ごとではない。あらすじだけ見ると陰鬱なストーカー小説のようだが、登場人物がみな超強烈に個性的で、ええーっ(笑)とのけぞる展開もあり、こなれた翻訳のおかげもあり最後まで面白く読んだ。ブッカー賞ほか各種文学賞受賞も納得。


【推薦者】カメオッパ角谷
【推薦作品】『ダフォディルの花』
【作者/訳者】ケネス・モリス/中野善夫
【推薦文】
 詩情溢れる文体で魅惑的な幻想世界が紡ぎ出される、まさに「夢見る人」のための小説集。あまりに華麗な文体なので、もう一度初めから耽読したいと思わせる魅力がある。「東と西」の章の短編を読み進めていくと、異国情緒溢れる描写に誘われ、自らも旅をしている気分を味わえた。「ヴァイオリニストの夢」のように偉大な凡人の生涯を生き生きと描く作家には並々ならぬ力量を感じる。

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【推薦者】ナッシー
【推薦作品】『新編エドガー・アラン・ポー評論集:ゴッサムの街と人々』
【作者/訳者】エドガー・アラン・ポー/伊藤詔子
【推薦文】
 短編や詩など、数多くの作品を手掛け、翻訳も多く出ていて、江戸川乱歩をはじめ、数多の日本の作家たちにインスピレーションを与え続けてきたポーだが、多くの重要な評論文は未訳のままであり、特に「マガジニスト」としてのポーの姿が伝わる重要な「ゴッサムの街と人々」などは、今回初めて日本の読者に紹介された。また、同書では、他に「雑誌社という牢獄秘話」「「直覚対理性 黒猫序文」「ダゲレオタイプ論」「貝類学手引書 序文」といった初訳のものも収録され、コレラ禍のニューヨークへの恐怖を描いた短編「スフィンクス」も、コロナ禍の現在読むのに相応しく新訳されている。知られざるポーの姿を浮かび上がらせる偉業である。

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