第六回日本翻訳大賞 推薦作品リスト

2020年1月31日(金)まで第六回日本翻訳大賞の候補作を募集しています。

推薦はこちらから。

ここでは皆さまから推薦をうけた作品と推薦文を紹介していきます。

※推薦文のすべてが掲載されるわけではありません。予めご了承ください。


【推薦者】奥村 ペレ

【推薦作品】『ブヴァールとペキュシェ』

【作者/訳者】ギュスターヴ・フローベール/菅谷憲興

【推薦文】 菅谷憲興の新訳は鈴木健郞の旧訳にくらべサクサクと読める。リズムがいい。訳註もいい。だから読んでいて「ペキュシェ症候群(途中でギブアップ)」に陥ることもない。ヒュー・ケナーは『ストイックなコメディアンたち』で本書をこう評した。「グーテンベルクの帝国に対するピュロスの勝利[破滅的勝利]として生き残る」と。まったく同感だ。19世紀の倦怠と退屈。それがこのような百科全書的作品をもたらした。本書の主人公たちは元筆耕。ふたりでひとりの性格を構成している。彼らは「環境のすべてが巨大な記憶術の建造物に変じることを受け入れ」(ケナー)、非現実性の百科事典的世界に身を置いた。その結果、皮肉にも彼らは強烈なリアリティを表現することになった。ふむふむ。フローベールは本書でこう書いた。「真実なのは(百科事典的世界ではなく)現象のみ」かもしれない、と。至高のリアリスト、フローベールの面目躍如だ。

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【推薦者】Oenothera Odorata

【推薦作品】『サッシーは大まじめ』

【作者/訳者】マギー ギブソン/松田綾花

【推薦文】 私がこの本の原書を知ったのは3年ほど前。物語の展開や言葉のチョイスの面白さもさることながら「若者が楽しく環境問題を知ることができる小説」という点が本当に素晴らしく、感動した。 当時、邦訳も読みたくて探したが見つからなかった。なので、この作品を見つけ出して日本に届けたという点もぜひ評価されてほしい。 昨年は日本でプラスチック汚染問題がかつてないほど注目され、世界で若者が気候変動問題を訴える動きが広まった。そんな中これらの問題に言及するこの本が日本で出された意義は大きい。より多くの人に読まれることを願っている。 扱われている題材はまじめだが、明るく勇敢な主人公のおかげで、ストーリーは決して暗くない。登場人物が人間味に溢れており、主人公の若々しい正義感や周りに理解されない苦しみも共感できるし、それとは正反対の恋人の合理的な考え方も、理解できる。個人的には、lenientlyを「おとがめ」と翻訳した箇所がお気に入り。

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【推薦者】なかわた

【推薦作品】『サッシーは大まじめ』

【作者/訳者】マギー・ギブソン/松田綾花

【推薦文】 かんきょうもんだいってむずかしいの? そんなことないよ。 じぶんさえよければ、ちきゅうのみらいがどうなってもいいなんて、おかしいよね。 勇敢なエコ戦士の女の子、サッシーが本気で環境問題に取り組みます。 小学生の児童でも楽しんで読みやすく、子供と一緒に環境問題をグローバルな意識で考えることができる地球に優しい翻訳書となっています。

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【推薦者】傳田 光洋

【推薦作品】『源氏物語 A・ウェイリー版』

【作者/訳者】紫式部/アーサー・ウェイリー(英訳)毬矢 まりえ、森山 恵(日本語訳)

【推薦文】 源氏物語を丁寧に無国籍化すると、その普遍的な文学的価値がよりあらわになることがわかった。千年前の物語は、近代、現代文学の傑作にも勝る、人間心理への深い洞察を示し、現代に生きる人間も囚われている業を描き切っていたのだ。20世紀の初頭、アーサー・ウェイリーによって源氏物語が英訳された。それは若き日のドナルド・キーンが日本文学研究を志すきっかけにもなった。毬矢、森山姉妹は、その英訳を、綿密に原典との比較をしながら、精緻であるが、大胆で華麗な現代日本語に翻訳した。その結果、源氏物語の奥深さ、壮大さが改めて明らかになった。ウェイリーの翻訳が欧米に源氏物語の価値を広く知らしめたように、「毬矢森山源氏」は、既刊の様々な現代訳を超えて、源氏物語のすばらしさを多くの日本人に認識させるだろう。ほかならぬドナルド・キーン氏がこの訳業を称えていらしたのだ。

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【推薦者】イ リス

【推薦作品】『セロトニン』

【作者/訳者】ミシェル・ウェルベック/関口涼子

【推薦文】 この一年でこの訳者さんでなければ読み進められなかったかもしれないと感じた一冊でした。 主人公はフランスのエリートで農業食糧省に勤めていた。 登場する垣間見える主人公の食のこだわりや合格点を下した実在するホテルも訳者はフランス在住者で且つ食文化を愛でる方でないと適さなかっただろうと考える。 主人公の眼から話す彼女の話は時に人を不快にさせるが、読み進めていくうちにまるでそれは共感のように彼が登場する特に日本人女性に対し、抱くきもちが読んでいる自分にも見つけることができた。 それがこのセロトニンで得た面白い体験。 読了後、セロトニンの書評をいくつか読んでみた。 決して、この主人公を称賛する気や身近に感じたいとも思わないが読む過程での読む側の変幻さは私だけではないらしい。


【推薦者】おもち むしぱん

【推薦作品】『美味しい進化: 食べ物と人類はどう進化してきたか』

【作者/訳者】著者 ジョナサン・シルバータウン、訳者 熊井ひろ美

【推薦文】 食べ物と人類はどう進化してきたか、というサブタイトルの通りなのですが、幅広く身近な話題を取り扱っていて、大変楽しく読みました。 14章で構成されていますが、それぞれの章の最後に次の章の布石があるので、キリの良いところで中断しようと思っても、なかなか止められません。 遺伝子や神経の話や、栽培化・家畜化、調理や食卓を囲むことに関する文化人類学的な話まで幅広い話題を扱っていますし、地理的にも広範囲の話をしています。時間軸としても数千年、数万年、1億何千年単位の話をしており、壮大な旅をすることのできる一冊だと思います。

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【推薦者】醤油 煎餅

【推薦作品】『ロイヤル・シークレット』

【作者/訳者】ライラ・ペース/一瀬 麻利

【推薦文】 昔から恋愛小説が好きで、国内の作家さんの作品ばかり手に取ってきました。たまたま美しい装丁に惹かれ本作を読んでみたところ、滑らかな文章のつらなり、わかりやすい文章表現のおかげで、「翻訳もの」とことさら意識をせずにするすると読めて衝撃を受けました!海外の著作は、翻訳が難しい言い回しが多くて苦手…と、小さな頃に読んだ海外の児童書を読んでからずっと思っていたのですが、本作のおかげで苦手意識が克服できそうです。イギリスの風を感じる、素晴らしい訳でした!


【推薦者】かや ねずみ

【推薦作品】『オーバーストーリー』

【作者/訳者】リチャード・パワーズ/木原善彦

【推薦文】 アメリカに最後に残る手つかずの森を守るため巨木に「召命」された人々の根には先祖がいる。 そして、やがて 幹になって、林冠を形成する。 かれらの種子は アメリカ全土にまかれていくのだろう。 読後には、樹木や森が好きになっていますよ。

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【推薦者】みき てぃん

【推薦作品】『サッシーは大まじめ』

【作者/訳者】マギー・ギブソン/松田綾花

【推薦文】 自然を愛する13歳のパワフルな女の子「サッシー」。大好きな歌や友情を通して自然の大切さを伝えようとするとっても心温まるものがたり。夢にも、恋にも、友情にも全力投球で、読み進んでいくにつれ、心動かされること間違いなし。学校や家庭が舞台となっておりとても読みやすいので、夢に向かって進んでいる学生の方に是非読んでいただきたい。もちろん大人の方にも。皆さんに自信を持って推薦できる一冊です。

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【推薦者】藤川 眞治

【推薦作品】『トリック』

【作者/訳者】Emanuel Bergmann/浅井 晶子

【推薦文】 ナチスドイツが台頭する時代に生きたユダヤ人の少年モシェと現代アメリカの少年マックスの話が並行して語られる。 奇術師に憧れて成功したモシェに訪れる悲劇。両親の離婚を目の当たりにして、不安定になるマックス。 戦後、落ちぶれてアメリカの老人ホームでモシェとマックスが出会う。 正直最後の最後に明らかになる展開にたどり着くまで、既視感のあるどこかで読んだことがあるようなふわっとした話かと思った。 けれども、最後に明かされるこの二人を繋ぐ展開が印象を一気に変える。 2019年の最後に、いい本に出会えたと感じた。

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【推薦者】よし りんりん

【推薦作品】『サッシーは大まじめ』

【作者/訳者】マギー・ギブソン 著/松田綾花 訳

【推薦文】 「エコ戦士」を名乗る13歳の少女サッシーが愛する地球の未来のためにエコ活動をします。何事にも全力なサッシーに環境問題について心を動かされ、考えさせられます。 笑えたり、ハラハラしたり、ほろりと涙したりするストーリーは大人から子供まで幅広い世代に楽しく読んでいただけます。

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【推薦者】篠崎 望

【推薦作品】

『ピクニック・アット・ハンギングロック』

【作者/訳者】ジョーン・リンジー/井上里 【推薦文】 あの幕切れ。こんな形の小説もありなんだと、既成概念をゆさぶられた。

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第六回日本翻訳大賞開催決定

第六回「日本翻訳大賞」の開催が決定しました。

まずは読者推薦作品の募集からはじまります。

募集期間は、2020年1月15 日(水)から1月31日(金)まで。


対象となるのは、2018年12月1日から2019年12月31日までに発表された翻訳作品です。

「日本翻訳大賞」は「翻訳家がつくる翻訳賞」です。

「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」。

2014年、翻訳家・西崎憲のつぶやきに、ゲームクリエイターの米光一成が賛同したことがきっかけとなり日本翻訳大賞は設立されました。

選考委員

金原瑞人、岸本佐知子、柴田元幸、松永美穂、西崎憲、さらに第六回は、ゲスト選考委員として、斎藤真理子が選考に加わります。

 

年に一度、翻訳好きが集まる祭典

2014年、わずか1日でクラウドファウンディングの目標額をクリアし、最終的に385人もの方々から約340万円の支援を受けて設立されたのが日本翻訳大賞です。授賞式は新宿・紀伊国屋サザンシアターで行われ、300名以上が来場。朗読や生演奏を交えた授賞式には翻訳書のファンが集い、他に類を見ないイベントとして好評を博しました。

受賞作品/受賞者

第一回

『カステラ』パク・ミンギュ、ヒョン・ジェフン/斎藤真理子訳(クレイン)

『エウロペアナ:二〇世紀史概説』パトリク・オウジェドニーク/阿部賢一、篠原琢訳(白水社)

読者賞 『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ/東江一紀訳(作品社)

第二回

『素晴らしきソリボ』パトリック・シャモワゾー/関口涼子、パトリック・オノレ訳(河出書房新社)

『ムシェ 小さな英雄の物語』キルメン・ウリベ/金子奈美訳(白水社)

第三回

『すべての見えない光』アンソニー・ドーア/藤井光訳(新潮社)

『ポーランドのボクサー』エドゥアルド・ハルフォン/松本健二訳(白水社)

第四回

『殺人者の記憶法』キム・ヨンハ/吉川凪訳(CUON)

『人形』ボレスワフ・プルス/関口時正訳(未知谷)

第五回


『ガルヴェイアスの犬』ジョゼ・ルイス・ペイショット/木下眞穂訳(新潮社)


『JR』ウィリアム・ギャディス/木原善彦訳(国書刊行会)

第五回日本翻訳大賞 受賞作決定

第五回日本翻訳大賞の選考会が2019年年4月14日(日)に行なわれ、候補作品の中から『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット/木下眞穂訳 新潮社) と『 J R 』(ウィリアム・ ギャディス/木原善彦訳 国書刊行会)が受賞作に決まりました。

授賞式&トークイベントは2019年4月27日(土)、デジタルハリウッド大学 駿河台ホールで開催します。


<第五回日本翻訳大賞授賞式>
【日時】2019年4月27日(土) 14:00開場、14:30開演(16:30閉会)
【会場】デジタルハリウッド大学 駿河台ホール
【チケット】Peatixで予約受付中。
https://nht190427.peatix.com/ 
【料 金】1,000円 (税込・全席自由) 、2,000円 (税込・全席自由・運営費寄付込み)、3,000円(税込・全席自由・運営費寄付込み)※チケット代金は日本翻訳大賞の運営費に充てさせていただきます。


授賞式は、選考委員が選考会を振り返る座談会や、受賞作に関するトーク、受賞者との対談など、翻訳に関するイベント満載のカジュアルな式を企画しています。ぜひ、お気軽にご参加ください!

第五回日本翻訳大賞 授賞式&トークイベント

授賞式&トークイベントは2019年4月27日(土)、デジタルハリウッド大学 駿河台ホールで開催します。

<第五回日本翻訳大賞授賞式>
【日時】2019年4月27日(土) 14:30開演(16:30閉会)
【会場】デジタルハリウッド大学 駿河台ホール
【チケット】Peatixで予約受付中。
https://nht190427.peatix.com/ 
【料 金】1,000円 (税込・全席自由) 、2,000円 (税込・全席自由・運営費寄付込み)、3,000円(税込・全席自由・運営費寄付込み)※チケット代金は日本翻訳大賞の運営費に充てさせていただきます。

授賞式は、選考委員が選考会を振り返る座談会や、受賞作に関するトーク、受賞者との対談など、翻訳に関するイベント満載のカジュアルな式を企画しています。ぜひ、お気軽にご参加ください!

第五回日本翻訳大賞の最終選考対象作品

第五回日本翻訳大賞の最終選考対象作品が下記の5作品に決まりました。
(作品名50音順)


『奥のほそ道』リチャード・フラナガン、渡辺佐智江訳、白水社

『ガルヴェイアスの犬』ジョゼ・ルイス・ペイショット、木下眞穂訳、新潮社

『JR』ウィリアム・ギャディス、木原善彦訳、国書刊行会

『自転車泥棒』呉明益、天野健太郎訳、文藝春秋

『すべての、白いものたちの』ハン・ガン、斎藤真理子訳、河出書房新社

受賞作は4月15日に発表の予定です。


・中間報告会

二次選考の対象となった17作品、そして最終選考を通過した5作品についての話題を中心に、2018年の翻訳シーンを振り返ります。
発起人の一人である米光一成の司会で、選考委員5名が楽しく語るイベントです。

日時:2019年3月21日(木・祝)14:00〜15:30/開場13:30〜
場所:青山ブックセンター本店大教室
ご予約は青山ブックセンターウェブサイトhttp://www.aoyamabc.jp/event/besttranslationaward5/
もしくは店頭にてお願いします。

・授賞式

受賞者の朗読や選考委員とのトークなど盛り沢山の開かれた式です。
どなたでもお気軽にご参加ください。
日時 2019年4月27日(土) 14:30~16:30/開場14:00
場所 デジタルハリウッド大学駿河台キャンパス
ご予約は Peatix からを予定しています。

第五回日本翻訳大賞中間報告会のお知らせ

3/21(木)14時より青山ブックセンター本店にて中間報告会を行います。

選考委員の五人が全員出席し、発起人の一人である米光一成さんの司会で、第二次選考対象作品の十七作、そして最終選考の五作、さらに翻訳にかんする一般的な話題について、楽しく語るイベントです。

ご予約はこちらから
http://www.aoyamabc.jp/event/besttranslationaward5/


授賞式までのスケジュールも決定しました。

3/18(月) 最終選考作発表
4/14(日) 最終選考会
4/15(月) 受賞作発表
4/27(土) 授賞式&トークイベント

授賞式&トークイベントは2019年4月27日(土)14:30よりデジタルハリウッド大学駿河台ホールで開催します。